外壁のこと詳しく教えます。

私たちが暮らす「お家」は、見える部分だけで成り立っているわけではありません。
外から見える外壁の“内側”――
そこには「防水シート」や「断熱材」など、家の快適さと耐久性を支える大切な構造が詰まっています。

けれど、こうした構造は、普段の生活ではなかなか意識されることがありません。
だからこそ、知っていただきたいのです。
外壁と室内の壁の“あいだ”にあるその構造が、どれだけお家を守る大事な存在かを。

外壁塗装は、単なる「見た目をキレイにするための作業」ではありません。
その内側の構造を守る“バリア”として機能し、あなたとご家族の暮らし、そしてお家の資産価値をしっかりと守ってくれるのです。

私たちは、正しい知識を持つことが「資産を守る第一歩」だと考えています。
だからこそ、構造のしくみや外壁の断面についてもわかりやすくお伝えしています。

知ることで、防げることがある。
知ることで、守れる未来がある。
あなたとご家族が、これからも安心して暮らしていけるように――
まずは「お家の中で、目に見えないところ」から理解を深めてみませんか?

— 家の健康的な断面構造を見てみましょう!

お家の外壁は、ただの「壁」ではありません。
実は、いくつもの層が重なり合い、私たちの暮らしをしっかりと守ってくれているんです。

外壁の種類によっても構造は変わりますが、例えばこんな順番になっています。
①塗膜
外壁材の表面には「塗膜」と呼ばれる薄い塗料の膜が塗られています。
この塗膜は、見た目を美しく整えるだけではなく、お家を守るための大切な“バリア”です。

雨や湿気の侵入を防ぐ【防水効果】
紫外線による外壁の劣化を抑える【UVカット効果】
ホコリや汚れがつきにくくなる【防汚効果】
外壁材の表面を守る【耐久性の維持】

つまり、塗膜があるからこそ、外壁材の寿命が長くなるのです。

ただしこの塗膜は、紫外線・風雨・気温の変化などによって年々劣化していきます。
とくに築7年目あたりから防水性が低下しはじめ、10年を超えると塗膜の効果がほぼ失われるといわれています。

②外壁材(窯業系サイディング・金属サイディング)
見た目をつくるだけでなく、最初に風雨や紫外線を受け止める盾です。
建築物の最も外側に設けられる壁。
窯業系サイディングではセメントと木質系繊維、金属サイディングはメッキ鋼板やアルミ・ステンレスから作られている。
工場出荷時などに塗装によって化粧される。

③透湿性の防水シート
 湿気(水蒸気)のみを通し、水は通さない性質を持つシート。
気体(湿気)の粒子は液体(水)に較べて小さいため、湿気のみを通過させることができる。

④構造用合板
 木目の方向を変えて薄い板を張り合わせた合わせ板。 さまざまな方向からの力に対し、高い抵抗力を発揮するので木造建築物の耐震性や耐風性をアップすることができる

⑤間柱
 柱と柱の間に設けられるので「間柱」。
構造用合板などを固定し、壁を構成し、補強する下地材。壁の厚みによってサイズも変わる。

⑥断熱材
外の暑さを室内へ伝えないように、お部屋の暖かさを外に逃がさないようにするための建材。
空気をガラス繊維や発泡樹脂で細かく隔離、移動しにくくすることによって熱の移転スピード遅くしている。

⑦防湿シート
水蒸気を通さないシートです。
壁内への水蒸気の流入を防ぎ、壁内での結露を防止するのが主な目的。
古いお住まいだと設けられていないこともある。

⑧室内下地(合板・石膏ボード)
お部屋の壁の下地になる部分で、たとえば「壁紙を貼る前のボード」です。
現在では防火のために石膏ボードが用いられることが多い。
古いお住まいの場合、下地なしで化粧合板が張られて内壁となっている場合もある。

⑨クロス(壁紙、または化粧合板)
みなさんが部屋で目にする壁紙やボードです。
内装の最後の補強とおもってください。
現在では石膏ボードの上にクロスを張るのが標準的な施工方法。
内壁に天然木などが使用される場合、室内下地を兼ねる場合もある。

⑩通気層
壁の中の空気のすき間で、ここに空気が通ることで湿気を退け、カビや結露を防ぎます。
通気構法の最大の特徴がこの部分。
窯業系サイディングや金属サイディングの内側に空間を設け、通気によって湿気を排出する。
カビや結露を防止し、建物の寿命を伸ばせるなどのメリットがある。

⑪胴縁(通気胴縁)
窯業系サイディング・金属サイディングを固定するための下地材。
壁材を貼る方向によって縦胴縁と横胴縁がある。
通気層を設けるためのものは通気胴縁と呼ばれることもあり、固定のための下地材を兼ねることも多い。

このしっかりとした構造が“健全な状態”で維持されていれば――

言い換えれば、健康な外壁構造は「家族の暮らし」と「家の資産」を守るための頼れる盾なのです。

そのためには、見た目ではわからない外壁の内部まで含めた「定期的な点検」と「メンテナンス」が不可欠です。
今ある“バリア”を維持し続けるために、私たちはお家の健康を守るパートナーでありたいと考えています。

家を建てたときや購入したとき、「この家なら安心して長く暮らせる」と思われた方は多いのではないでしょうか。
しかし実際には、外壁を守る塗膜は紫外線や風雨にさらされることで7年目あたりから徐々に劣化し、10年目を迎える頃にはほとんど防水性や保護力が失われてしまうと言われています。

塗膜が剥がれると、外壁そのものが雨水を吸収しやすくなり、ひび割れやカビ、さらには雨漏りの原因にもつながります。
家の劣化は、静かに、確実にそして見えない場所から進行していきます。
特に外壁からの雨漏りは気づきにくく、音もなく壁の中を伝って断熱材や下地をじわじわと蝕みます。
そして室内にシミが見えるころには、すでに深刻なダメージが進行しているケースがほとんどです。

一度雨水が建物内部に侵入し、建材が傷んでしまうと、たとえ修繕しても元通りの強度には戻りません。
表面的には直っていても、構造は弱くなっており、地震などの衝撃に対して脆くなってしまうこともあります。
まさに「次に壊れるのは時間の問題…」という状態になってしまうのです。

このような状況になってからでは、修繕費用は高額になり、売却時には「瑕疵あり物件」として資産価値が大きく下がるリスクもあります。
不動産の売買では、過去に雨漏りがあったかどうかを買主に正確に報告する義務があります。
もしあなたが「買う側」の立場だったら、雨漏り経験のある家を選ぶでしょうか?

きっと多くの方が避けたいと思うはずです。
つまり今、「まだ大丈夫」と思って放置している家も、いざ手放す時には「選ばれない家」になってしまう可能性があるのです。

家は“買って終わり”ではなく、“維持して価値を守る”もの。
築10年を過ぎたら、見た目だけで判断せず、一度しっかりと点検を行い、必要であれば外壁塗装などのケアをしておくことが、将来の資産価値を守るための第一歩です。

「まだ大丈夫」ではなく、「今こそ備える」。
それが、家を長持ちさせるための一番の近道です。

実は気づきにくい、外壁からの雨漏り
「雨漏り」というと、天井からポタポタ水が落ちてくるイメージを持っていませんか?
でも実は、一番多い雨漏りの原因は『屋根』ではなく『外壁』だと言われています。

外壁のひび割れや塗膜の劣化から、水がじわじわと浸入し、
壁の内部で静かに進行していくのが「外壁からの雨漏り」の特徴です。

外壁からの雨漏りは、なぜ気づきにくいのでしょうか?
多くの方が「雨漏り=天井から水がポタポタ落ちてくるもの」と思っています。
でも実は、外壁からの雨漏りは“静かに、気づかれないまま進行していく”のです。

外壁にできた小さなひび割れや劣化部分から入り込んだ雨水は、
重力に従って、静かに垂直方向へ、つまり下に向かってゆっくりと浸透していきます。

この動きには特徴があり、横方向にはほとんど広がりません。
そのため、室内の壁に「雨染み」などの目に見える症状が出にくいのです。

そして、雨水が入ったとしても内部には

透湿防水シート(水は通さず湿気だけを逃す層)
断熱材(水分を吸収してとどめる層)
が設けられており、これらが最初の侵入をブロックします。

つまり――
お部屋の壁に雨染みが見える頃には、すでに内部ではじわじわと雨水が染み込み、構造体にまで影響を与えている可能性が高いのです。

さらに厄介なのは、外壁から侵入する雨水は音もなく静かに進みます。
天井から水が落ちるような音もなく、ただ壁の奥でじっと濡れ続けているだけ。
「気づかない雨漏り」ほど怖いものはありません

お部屋の壁に雨染みとして明らかな跡が現れる頃には、雨漏りはすでに長期間にわたり進行している可能性が高く、あるいは一度に大量の雨水が侵入した深刻な状態かもしれません。
そして、目に見えないまま雨水が内部に入り込み、気づかずに放置されると、柱や梁といった建物の基礎部分にまで湿気が届き、木材の腐食やカビの発生、さらにシロアリ被害といった二次被害がじわじわと広がっていきます。

問題は「雨漏りが起きたこと」ではなく、
その原因が“外壁のどこに潜んでいるのか”を知らないまま、今も静かに進行しているかもしれないということ。

「まだ大丈夫」と思って何もしないことが、
気づいた時にはすでに家の価値を大きく損なっている――そんな未来につながりかねません。

家の価値、家族の暮らし、そして老後の安心。
それらを本気で守りたいなら、「気づいてから」ではなく、「気づく前に」備えることが大切です。

今、表面に何も起きていないように見えても――
あなたの家の内側では、静かに、確実に、劣化が進んでいるかもしれません。

「見た目がきれいだから大丈夫」
「築10年は過ぎたけど、問題はなさそう」
――その油断が、あとで後悔に変わるのです。

“自分の家は本当に大丈夫なのか?”
そう思った今こそ、定期的な外壁・屋根のチェックを。
未来の安心は、「今、備えること」から始まります。